本当に大切なことは目に見えない(…私)

蒸し暑い日が続き、だれきった学生を前に仕事をしています…と思っていました。

いきなり、学生から、
「今の日本の教育現場をどう思いますか?」
ときかれた。
「高校生のとき、ある先生が、
(こんなスカスカの教科書で、こんな低レベルの先生とともに、こんな授業内容の)
こんなおそまつな教育システムが成立している国は日本しかない。
君たちは、これから、世界のどの国とも対等に生きていけないだろう。」
と言われた。
初めて「世界の中に生きていく自分」が自覚出来て、衝撃だった…
それで、他の先生方の意見も尋ねてみた。
みんなそろって、
「えっ、…だって…でも…そんなこと…日本だって…」
と、歯切れ悪く困りきった顔だったそう。
幻滅したと思う。

私はその学生に投げ返してみました。
「じゃ、なぜ、もっとフランス語の勉強しないの?」

私の顔をまっすぐじっと見て、
ややあってそれから、
「その高校の先生に教えてもらっていた科目は、一生懸命勉強して、今ではだれにも負けません、自信があります」
と答えた。

その沈黙の内容を、私は私なりにしっかりと受け止めた。

あなたはフランス語が楽しくて、毎日の仕事が好きで、それで面白い授業をしていればいいと思っているのかもしれない。
でも、僕には、なぜいま、この勉強をしなければならないのかよく見えてこない。
あなたは、何を僕たちに教えようとしているのですか?
あなたは、僕たちの将来の何を目指して教壇に立っているのですか?
あなたは、そこで何をしているのですか?

その日は、別のクラスでも、
黒板を消していると、学生が前に出てきて、
「先生、黒板を消してあげますから、先に進みましょう」
と言ってくれた。

次の日は、また別のクラスで、
「ホワイトボードの字が良く見えない…」
という学生のクレームを受けて、自分でボード用ペン(新品)を用意したら、
「バイト先で、インク補充用のボトルがあるから、
(僕たちは、毎回、そのインクを補充してからボードを使用するんです、当然です)
持ってきてあげましょう。
毎回、ペンを買うのは大変でしょう。」
と、学生が教えてくれた。


雨の中を走っていると、
雨音と、自分の吐く息と、心臓の音だけの世界になる…
そして、自分の中へ深く深く沈んでいく…
だれきった学生の姿は、実は、自分自身の姿。投影にすぎなかった…
私は、
学生の本当の姿も、
自分の仕事の一番大切なことも、
なにもかも
見えていなかったんだ…
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Commented by ケイオス父 at 2010-06-27 00:00 x
いい話ですね。 頑張ってください!
Commented by take_velo at 2010-06-27 08:46
ケイオス父さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
同行者の夏休み日程がまだ決定しなくて、予定が立たないままです…ごめんなさい。
by take_velo | 2010-06-26 19:00 | つれづれに思うこと | Trackback | Comments(2)

テニス・ボクシングのことを中心に思うことをつづってます。Pコーチはプライベートコーチの略、SPコーチはシングルスプライベートコーチの略です。長ったらしくなるので。


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