「しあわせの雨傘」 Potiche

カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランス映画「しあわせの雨傘」を見た。

映画終了後、解説役の日本人男性二人が、
「フランスですねえ」とコメントしていたが、
私には、まるで日本の社会構造の縮図を見ているようであった。

豊かな生活さえ与えていれば妻は満足しているものだと信じて疑わない夫は、
公然と浮気を繰り返す。
娘婿は、出張ばかりでいっこうに姿を現さない。
それでも、女たちは、離婚しようとしない。
苦しみを共有するはずの母親を、自分の小さな幸せのために平気で裏切る娘。
(女性の間に協調関係は成立しないのか。)
自分のほかにもたくさんの愛人がいたとわかって、
手のひらを返したように、宿敵となる了見の狭い男。

唯一、心優しく美しい息子は、
自分が公証人(母親の愛人の一人)の子供とは知らず、
その息子と恋人関係に陥る…(異母弟なのに)

「お飾り物 potiche 」に過ぎないように見える女性、
しかし、中身は空っぽどころではなく、
おどろおどろしいものも含めて、ぎゅうぎゅういっぱいである。
国民みな中流階級と豪語していた日本の真の姿を見るようだ。
どたばたコメディのようでありながら、鋭いブルジョワ社会風刺作品である。

なのに、なぜ邦題は「しあわせの雨傘」なんだろう…
カトリーヌ・ドヌーヴの代表映画「シェルブールの雨傘」にひっかけたのだろうか。
あああ、やっぱり張りぼて(potiche)だらけの日本文化である。

ところで、この映画は、
すっかりおなかの出たドヌーヴが、厚化粧し、髪にネットを巻いて、
森の中をジョギングするシーンから始まる。
あまりの醜さと可笑しさに、背筋の凍る思いであった。
昨今のスポーツブーム、自然回帰ブームの風刺なのであろうか。
その冒頭シーンに、自分の滑稽な姿を見るようで、うすらさむかった…
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by take_velo | 2012-01-17 00:45 | つれづれに思うこと | Trackback | Comments(0)

テニス・ボクシングのことを中心に思うことをつづってます。Pコーチはプライベートコーチの略、SPコーチはシングルスプライベートコーチの略です。長ったらしくなるので。


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