ロマンティックな話(笑)

最後のレッスンで、どうしてもサーブを打ってほしい方がいた。
リターンエースは取れなかったものの、何球か返すことができてうれしかった。
その方に、「たまには、テニスじゃなくてロマンティックなブログを書いて」と、リクエストされたので。

尼寺に入ったような、清く正しい毎日を送る私には、色恋話には無縁(ということにしておいて)。
だから、もう時効となった話を書く。

私にはメンターがいた。
(社会に出て成功したいと思う人は、絶対にメンターが必要)
フランス語だけじゃなく、フランス文学、フランス思想、フランス精神分析、いろいろなことを教えてもらって、
「Kazukoならできる、きみは特別な女性だ、きみにできないことはない」と、
ずっと背中を押してもらった。
日本に住んでいて、ついつい、安きに流れ、常識に生きようとしたら、
「きみらしくない」と、叱咤された。
若いころの夢をかなえることができたのは、彼のおかげだ。

出会ったころ、彼は結婚していて、私は密かに一方的に想うばかり。
だったはずなのだが(笑)、フランスに帰国する日、
彼はそっと私の手をぎゅっとにぎって、それから去っていった。
あ、これ、サルトルの『嘔吐』を知っている人なら、
「あなただけを愛しているよ」のメッセージだとわかる(はず)。
そして、私たちはお互いに想いあうようになった。
何通も何通も行き来する手紙、
「もっと高いところを目指せ」と、
もらった勇気と、もらった自信は、数えきれないほど。

彼はやがて離婚し、私にプロポーズした。(らしい)
だが、その手紙は私の手元には届かず。
私からいっこうに返事がこない彼は、絶望し、
仕事を変わり住所が変わっても、私には連絡しないまま、数年が過ぎた。

そして、今度は、私が離婚を決意する。
精神的にどん底に落ち込んだ私は、彼に相談したくて、何度か手紙を出すが、
自宅にも職場にも届かない…なぜ?

研修でフランスに行くことになった日、
これで最後と、
1通の手紙を自宅に送った。
研修場所(カーン大学)に着いたら、なんとそこには、彼からのメッセージが届いていた。
彼のお嬢さんが、偶然、私の手紙を自宅のポストに見つけたのだという、
そして、お母さんが破り捨ててしまう前に、彼のもとに届けてくれたのだと。

私たちは、私の離婚が成立しだい結婚するはずだった。
でも、なぜだかいまだに私は独身のまま、現在に至る(笑)。
恋愛には賞味期限があって、
すれ違いを繰り返すうちに、私は無力で無垢で華奢で素直な東洋の少女から、
オバサンへとすっかり変身を遂げていたのでした。

私の人生に、もう結婚はいらないかも。
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Commented by take_velo at 2012-11-29 17:14
過去ブログ(http://takevelo.exblog.jp/14688051)に、ちょうど彼のことを想いながら書いたものがありました。最近、このプルーストの記事を訪問してくれる人が多くて、ちょっと恥ずかしいかも…
by take_velo | 2012-11-30 17:06 | つれづれに思うこと | Trackback | Comments(1)

テニス・ボクシングのことを中心に思うことをつづってます。Pコーチはプライベートコーチの略、SPコーチはシングルスプライベートコーチの略です。長ったらしくなるので。


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