強くするために勝たせる

ある女子ジュニアプレーヤーが長い間勝てなくて、すっかり自信を失って、
しかもコーチである父親からも見放されてしまった。
そんな彼女を引き受けたのがムラトグルーコーチ。

勝てない娘にイライラし、うまくいかない自分の人生のストレスまで娘にぶつけていた父親からまず彼女を引き離し、
そして、同じアカデミー所属の格下の男子と試合をさせ(こっそり「負けてあげて」と試合前に頼んである)勝つ経験を積み上げる。
その後、女子とも試合をさせ、(競争心の強い女子は、あらかじめ「勝たせてあげて」と言っても負けてくれないから)、相手の弱点を徹底的に調べて伝え、さらに勝利の経験を積ませる。
練習でもほめて、ほめて、ほめまくる。
そうやってようやく彼女は本来の才能を開花させるのである。

彼女はテニスの素質に恵まれていたからね。
凡人がこんなことをされたら、才能もないのに天狗になり、一歩外に出れば、一勝もできない。
だから、ケースバイケースなんだけど、
それでも、「天才」と呼ばれるジュニアを育てるには必要。
絶対的な自信、揺るがない信念は、勝ち続ける経験からくるから。
(子育てにも通じる難しい問題。ほめてほめて育てるのは、やがて外に出た時にストレスに耐性の無いわがまま放題の若者を生むとも言われている)

う~ん。ちょっと考えてしまった。
今まで試合で勝ったことのない私も、勝ちだすとプレーヤーとして変わるんだろうか。
そして、男子だとリラックスしてゲームができるから、まずは男子と試合をさせ始めたムラトグルーコーチの指摘は、女子のゲームが嫌いな私の深層心理を突いているんだろうか。

教員としてとても感銘を受けたのは、「コーチは評価してはいけない。プレーヤーが自分の目標をかなえるのをサポートするのがコーチの役目。
目下の課題の指摘も、その課題を乗り越えることを前提にして出す(乗り越えられない課題など出さない方がまし。乗り越えても「勝つこと」につながらないなら無視して良い)」
人間は誰しも評価されるのは好まない、と。
つまり、「教育的評価」なんてそもそも成り立たないんじゃないだろうか。

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by take_velo | 2016-10-15 07:10 | テニス | Trackback | Comments(0)

テニス・ボクシングのことを中心に思うことをつづってます。Pコーチはプライベートコーチの略、SPコーチはシングルスプライベートコーチの略です。長ったらしくなるので。


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