『下流の宴』とバルザック

毎朝楽しみの『下流の宴』(林真理子)。
木曜の連載部分に次のような一節がありました。

通学カバンなんてたった三年使うだけで、用が足りればそれでいい。本革と人工は、そんな違いはないのに値段は倍する。あんた、今、そんなことにこだわると、どうでもいい違いのために、倍働かなきゃいけない生き方すんのよ、それでもいいのって。

なんか、すとんと落ちた一節でした。
うん。なんか、今の時代。

私の大好きなバルザックには、次のような描写がいっぱい出てきます。

手袋買うときには1ダースまとめて。
真白の鹿革でぴったり一部の隙もなく自分の手に合うものを作らせて、一度身につけると、惜しげもなく下僕にやってしまう。
下僕はほとんどまっさらのその手袋をつけて、ダンディー気取り。

奥の私間に通されて、今起きたばかりの婦人は、最極上級のカシミアの、白に限りなく近いベージュのアンサンブルを着ている。
誰も見ない部屋着だというのに、その贅沢さ優美さ...
うっとりため息を漏らす「私」。

そんな世界に突き動かされたかのように、バルザックは一生借金に追われてあの大作を書き続けたのです。
バルザック好きな私としては、うれしい限り。

作者の林真理子もきっとバルザック側の人間。
そして、私も。
美しいものを見ると、「私を呼んでいる」声が聞こえます(笑)。
極上の革やカシミアやシルクを見ると、手がその手触りを感じてしまいます。
一緒だとわかっていても、人工のものは買えません...


話変わって。
昨日、良い天気だったので、窓を開けると、前は駐輪場の2階。
フェンスに沿って、ピストバイク、ロードバイク、マウンテンバイク数台が一列に立てかけてあります。
ピンク、赤、水玉のバーテイプ。そして緑のタイヤ。
あああ、きれい。
写真が撮りたかったけれど、授業中だったので、終わるまで待っていたら、学生が、一台、また一台と乗って行ってしまった...

自転車って美しい、と思います。

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Commented by ケイオス父 at 2009-04-25 15:18 x
もの凄く金持ちでおおらかな自分と、ケチで貧乏くさい自分とが混在しています。

(今日はタケさんご存じの記念なので)ペリカンの万年筆を買おうと大丸まで行ったのですが ..... お目当てのがなかったので買わずに。

でも、「今日、東京で買うことに意味があったのに ・・・・・ 」と羽田空港で帰りの便を待ちながら悔やんでいたりして。

Commented by ハナ at 2009-04-25 21:08 x
タケさんこんばんは!
私も「下流の宴」毎朝楽しみに読んでます〜

年を重ねるにつれ、あの母親の感覚、なんとなくわかるなぁ…と思います。でもロスジェネ世代でもあるので息子達のあの感覚も理解できます。バルザック側の林真理子が、彼らのギャップや折り合いを今後どう描いていくのか楽しみです〜。

私も本物を少しずつ…な人間になって行きたいです

Commented by take_velo at 2009-04-25 22:02
ケイオス父さん

おめでとうございます、緊張なさっていたけれど、上手くいったのですね!
ペリカンの万年筆ですか...いいですね、でも見つからなくて残念でしたね。
Commented by take_velo at 2009-04-25 22:08
ハナさん

どちらの価値観が正しいとか間違っているとかではなく、時代の流れですね、林真理子はそんな流れを書くのがうまいですね。
私は、自分にとって必要でないもの・大切でないものは、「必死に働いてまで持ちたい」とは思いませんもの。
だから、あのセリフは納得できます。
自分にとっての価値観を大切に、ってことですよね、ゆっくり少ないもので豊かに生きるのも、また素敵です。

トレイルラン、参加するかもしれません!
調整中です。
でも、ハナさんは、「アンダー2」組ですね、私は勿論「ゆっくり入門」組です。
by take_velo | 2009-04-25 08:44 | つれづれに思うこと | Trackback | Comments(4)

テニス・ボクシングのことを中心に思うことをつづってます。Pコーチはプライベートコーチの略、SPコーチはシングルスプライベートコーチの略です。長ったらしくなるので。


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